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横田 浩

 新しい研究と臨床に基づく食事術(後編)

更新日:4月2日





 やっと暖かくなってきましたね。本日は、3月度のメルマガ配信です。



 前回取り上げました新たな食事術、一言で表現すると「原始人食」の説明が、


 著書『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった!』(崎谷博征著 、秀和システム)において、


 『最善の食事法は、プーファを制限し、より高い代謝に見合ったカロリーを糖質から十分に摂取することです( カロリー制限なしでプーファだけ制限)。

  そして、エンドトキシン発生の原因となる消化に悪いもの( 難消化食物繊維)を極力食べない。これが私の提唱する「原始人食」です』

 とありました。



 今回は、この説明文の後半部分について、解説したいと思います。




 まずは、「エンドトキシンとは何か」


 エンドトキシンとは、 グラム陰性菌(バクテリアの一種)の細胞壁を構成する物質で、リポ多糖類( lipopolysaccharides[LPS]になります。


 また難しい用語が出てきました。「グラム陰性菌」とは?


 ウィークペディアの「細菌」の説明文に、

細菌は、細胞壁がグラム染色で染色されるタイプとされないタイプの2種類に大きく分類することができる。それぞれのタイプの細菌グループは、グラム陽性菌グラム陰性菌と呼ばれ、この特徴は細菌種を分類するために利用されている

 とあります。


 腸内細菌においては、大半が「グラム陰性菌」で、例えば大腸菌はその代表です。







 エンドトキシンは、実は非常に強力な毒性物質なのですが、基本的には細菌内にあり、容易には放出されないので、直ちに毒性を発揮することはなく、「内毒素」と呼ばれています。


 なお、大腸菌O157のような病原性細菌では、容易に自ら毒素を産出・放出するので、その毒素は、直ちに毒性を発揮することから「外毒素」と呼ばれ、内毒素とは区別されています。


 ただし、エンドトキシンも、細菌が死滅する際や増殖する際には放出されるので、このような場合には、この毒性物質によって生体の免疫が異常に反応し、急性・慢性の炎症を発生させ、重要臓器が急速に機能不全に陥ったり、慢性病を引き起こしたりする場合があります。




 エンドトキシンは有害毒物ということですが、どの程度の有害性があるのでしょうか?



 エンドトキシンが体内に発生した時は、とても微量でも強い毒性を示すようです。

 特に、近年ではその有害性の報告が多く、様々な研究から全ての慢性病に関与しているとまで言われているようです。


 東洋医学では昔から、病気の根本原因は、「有害毒物の体内蓄積」だと言われています。


 エンドトキシンは、強力な有害毒物であり、しかも元々腸内に生息する細菌の成分なので、口からの摂取を防ぐこともできず、その発生にはとても注意が必要なのです。


 本書の著者である崎谷博征ドクターの主張にあるように、健康のためには、エンドトキシンはとても重要なファクターで、その発生量を抑えることと、発生してしまったエンドトキシンをしっかりと処理できるかどうかは、とても重要であると思われます。


 このエンドトキシンの処理に失敗すると、エンドトキシンにより生体内で「炎症」が発生します。

 この「炎症」という現象は、全ての病気への過程の始まりなのです。





 エンドトキシンが発生しないように、食事内容に注意することが必要



 エンドトキシンは、腸内細菌のバランスが壊れた場合や腸内細菌が過剰に増殖した場合に発生することから、

 腸内細菌の多様性を維持し、ある細菌群だけが増殖することがないように、またたとえ善玉菌と言われる細菌(ビフィズス菌や乳酸菌)であっても、過剰に増殖させないことが必要であることが分かります。

 

 現代社会は、とても有害な添加物や農薬が多く、腸内細菌のバランスを崩しやすい上に、腸内細菌を死滅させる抗生物質を、薬として安易に服用したり、食物の残留成分として一緒に取り入れたりすることが多いことから、特に注意が必要です。


 ということで、消化に悪いもの( 難消化食物繊維)は、腸内細菌の餌になることでエンドトキシン発生の原因となるため、食事において消化に悪いもの( 難消化食物繊維)を極力食べないことが推奨されているわけです。


 難消化食物繊維とは、いわゆる食物繊維のことですが、野菜などのセルロース以外の食物繊維は、細菌の餌となることで細菌の増殖を促進させます。


 近年では、消化が悪い食物繊維が健康に良いとされ、一般的には十分に摂ることが薦められています。


 しかしながら様々な研究によると、体内の炎症は、消化が悪い食物繊維によって発生したエンドトキシンが原因であると言われており、著者は食物繊維の摂取は控えるよう指導しています。


 また、お米や小麦粉などのでんぷん質の炭水化物にも、難消化性の糖質がかなり含まれており、エンドトキシンの発生に繫がりやすいので、過食は避けるように指導しています。


 また、お米を食べる場合には、良く精米した白米が一番良いと解説されていますが、ただし他の食材でビタミンやミネラルを補うように付け加えられています。


 なので糖質としては、消化に良い単糖類や二糖類である蜂蜜や黒砂糖や果物の糖質の摂取が、特に薦められています。








 発生してしまったエンドトキシンを上手に処理するためには



 ここで上記の書籍によると、エンドトキシンのような有害毒物(崎谷博征ドクターはゴミと呼ぶ)を上手に処理するポイントは、前回もお話した単糖類を完全燃焼し、ゴミを処理するのに十分なエネルギーを安全に得ることが重要であるとあります。


 すなわち、病気にならないためには、極力ゴミの摂取や発生を抑えるだけでなく、糖質を完全燃焼させて十分なエネルギーを確保し、ゴミをしっかり処理することが重要ということです。


 なので、エンドトキシンを発生させることのない、消化の良い単糖類や二糖類である蜂蜜や黒砂糖や果物の糖質を十分摂取することが重要ということです。



 そして、前回お話したように、これらの良質な糖の完全燃焼を最も妨害するプーファ(不飽和脂肪酸)をなるべく控えることも重要となります。


 さらに、近年は脂肪の摂取量が以前に比べ4倍にもなっていることと、脂肪の中でも最も危険であると思われるプーファを、逆に健康に良いとして摂取を薦める医薬品業界の広告が多いので、特に注意が必要です。


 プーファはそれ自体が、体内でゴミとなることも多いと言われているようですので、「炎症」の直接的な原因ともなり得るようで、まずます摂りすぎには注意が必要と思われます。





 病気の根本原因を解消する「原始人食」



 このように、「原始人食」は、病気の根本原因を解消するためのものであり、難病の改善から日々の健康維持までが可能となると思われます。


 原始人食では、消化の良い単糖類や二糖類を中心とした糖質をしっかり摂取することが基本となっています。


 糖質は、十分なエネルギーを生産するためにとても重要な成分であるにもかかわらず、近年では糖質制限なる食事術が宣伝され、あたかも健康に良いとされる風潮がありますので、しっかり考慮・考察する必要があると思います。


 本著者のドクター(崎谷博征氏)には、難病の患者さんと向き合う中、ご本人も含め患者さんの殆どがプーファのサプリを何年にも亘って服用して、不調になってしまったという事実や、


 プーファを極力減らし、単純な消化の良い糖質(蜂蜜や黒砂糖や果物)を積極的に摂取し、糖が完全燃焼するようになることで、難病を克服したという実績があります。




 みなさまも、是非「この新しい食事術」に興味をもっていただいて、この食事術をご自身の食事に取り入れて、ご自身で体験されてみることをお勧めします。


 慢性病や難病でお悩みの方は、特に重要と思われますので、本著書を読まれることを強くお勧めいたします。



(参考書籍)

●『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった!』(崎谷博征著 、秀和システム)

●『新・免疫革命』(崎谷博征著 、鉱脈社)

●『慢性病は現代食から』(崎谷博征著 、鉱脈社)

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