今回、第2回目(2月号)のメルマガ配信です。
前回に続き、食事に関する内容をお届けしたいと思います。
食事は、日々のエネルギーを得るためにも重要であるだけでなく、
近年は身体に悪いものを取り込まない意味においてもとても重要です。
実はつい最近、あるドクター(崎谷博征氏)の画期的な洞察に満ちた食事術を知りました。
東洋医学を知った時のような感動が、10数年ぶりぐらいにありましたので、
そのドクターの最近の書籍を読み漁りました。
その内容は、ドクターが多くの難病患者の方々と向き合う中、
最新の膨大な量の医学論文の結果を踏まえて考察し結論づけた内容で、
実際に臨床的結果を出し、多くの患者さんから支持されているようです。
実際に、アマゾンの書籍のコメント欄では、たくさんの感謝の声が記載されています。
その食事術は、健康である為の栄養学の基本を解き明かすもので、如何に効率よくエネルギーを安全に量産できるようになれるかというものです。
エネルギーをしっかり安全に量産できると、がんや糖尿病や痴呆症や脳神経疾患や難病を予防できるだけでなく、もう発病している場合でも、症状を緩和するだけの対象療法ではなく、根治の方向に向かうようになるようです。
内容があまりに現在の常識と異なり、にわかには信じられませんが、
きっと真実の本質をついているように感じています。
私も、現在自分自身の身体で体験していますが、今までにない感触を得ています。
今日は、そのドクターが推奨する食時術の概要を簡単にご紹介するとともに、私の感想やコメントを述べていきたいと思います。
その食事術とは、一言で言うと「原始人食」
「原始人食」とは、大昔の狩猟生活の時代に、人々が摂取していた食事内容を模範したものとなります。
著者によると、お米の稲作が始まったのは1万年ぐらい前で、それまでの長い長い期間は、狩猟により獲得した動物の肉や、魚・貝類や、果物や、木の実などを中心に食していたようです。
そしてその狩猟時代の方が健康的であり、さらにその期間が長いことから、人間の腸内環境もそのような食事内容に最も適合していると考察されています。
その原始人食の簡単な説明が、以下の書籍に掲載されています。
著書『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった!』(崎谷博征著 、秀和システム)において、
『最善の食事法は、プーファを制限し、より高い代謝に見合ったカロリーを糖質から十分に摂取することです( カロリー制限なしでプーファだけ制限)。
そして、エンドトキシン発生の原因となる消化に悪いもの( 難消化食物繊維)を極力食べない。これが私の提唱する「原始人食」です』
とあります。
まず、「プーファ」とは、不飽和脂肪酸を意味します。
原始人食を実践するには、まず不飽和脂肪酸(プーファ)を制限すること
みなさま、ここで油って何か、いっけん簡単そうですが、いろんな名称が使われていて解りにくいので、少しまとめてみたいと思います
一般に、「油」の定義とは、水に溶けない物質です。
そして、動植物由来の油を、油脂(脂肪、脂質とも呼ぶ)と言います。
さらに、その中でも常温で液体のものを油、固体のものを脂として区別しているようです。
ここまではいいですよね。
そしてここからが、ややこしくて難しいのですが、
この「油脂」というのは、下図のように一般にグリセリンと3つの脂肪酸が結合したものなのです。
この化学物は、「トライアシルグリセライド」といい、日本では中性脂肪と訳されます。
ですから、上述でプーファとは不飽和脂肪酸と説明しましたように、脂肪酸も水には溶けないので油に分類されますが、正確には脂肪酸です。
ただ、脂質が消化されるとグリセリンと脂肪酸に分かれますので、脂肪酸が脂質であるかのように、話が展開されることが多くあります。
体内でも、一般に脂肪酸として移動しますが、水に溶けこむために、アルブミンというたんぱく質に包まれた状態で移動しています。
ちなみに、この状態のものを「遊離脂肪酸」と呼びます。
そして、脂肪組織に脂肪酸を蓄えられる時には、またグリセリンと結合させて中性脂肪として貯蔵されることになります。
ですから、栄養学で言われる脂質の種類とは、一般にこの脂肪酸の違いによるものです。
脂肪酸は、炭素と酸素と水素からできていますが、
この組成の中の炭素と炭素の結合に二重結合がある場合を「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、一般的に植物性のや魚類の油脂に多く存在し、その場合の脂質は常温で液体です。
また、この組成の中の炭素と炭素の結合に二重結合がない場合を「飽和脂肪酸」と呼ばれ、一般的に動物性の油脂に多く存在し、その場合の脂質は常温で固体です。
不飽和脂肪酸では、二重結合の位置によって、オメガ3系とオメガ6系とオメガ9系に分けられます。
私たちが、主に食品から摂取する不飽和脂肪酸’(プーファ)は、オメガ3とオメガ6です。
一般的なサラダ油は植物性の油を使用していますから、オメガ6の不飽和脂肪酸(プーファ)になります。
オメガ3には、リノレイン酸(亜麻仁油など)や魚油(EPAやDHAなど)があります。
オメガ6には、リノール酸(菜種油や大豆油やコーン油など)あります。
不飽和脂肪酸(プーファ)は体内でも酸化されやすく、その酸化物である過酸化脂質(アルデヒド)は、細胞内で細胞損傷を引き起こす
よく動物性の脂質は固体で植物性の脂質は液体なので、血液循環において液体である植物性の方が健康に良いという理屈が普及していますが、基礎的および臨床的に確かなデーターがあるわけではありません。
皆さまもご存じのように脂質は酸化されやすく、特に不飽和脂肪酸は室温で簡単に酸化され有毒な過酸化脂質(アルデヒド)に変化します。
体内でも不飽和脂肪酸(プーファ)は酸化されやすく、酸化されると強力な細胞毒となり、細胞を損傷させとても有害です。
さらに本著書では、特に不飽和度の大きいオメガ3系の油(亜麻仁油や魚油)は最も危険であることが指摘されています。
ところが、今日ではオメガ3系の油は健康にとって有用であるとし、より積極的に摂ることが薦められており、矛盾と大きな問題を孕んでいます。
したがって、脂質が個体か液体かということより、本書では酸化されやすい不飽和脂肪酸(プーファ)の過剰摂取は有害であり、慢性病の大きな原因になっていることを示すとともに、警鐘をならしています。
脂質を摂りすぎると、効率よく安全にエネルギーを量産することができなくなる
さらに、脂質の過剰摂取がいけないもう一つの理由があります。
もともと食事は、生理的や肉体的に活動するためのエネルギーを得るためのもので、効率よく安全に大量のエネルギーを生み出すことがとても大切です。
その為には、有酸素状態で単糖類(主にグルコースなど)を完全燃焼させることにより、効率的にエネルギーの素となる大量のATPという物質を合成する必要があります。
ところが、本書籍にもあるように、
体内に不飽和脂肪酸(プーファ)が多く存在すると、グルコースの完全燃焼がブロックされ、単糖類が不完全燃焼を起こし、不完全燃焼になるとエネルギーが不足するため、糖質の燃焼が脂質の燃焼に切り換わる(メタボリックスイッチと呼ばれる)ようになるようです。
糖質の完全燃焼から脂質の燃焼に切り替わると、最終的には細胞異常が発生し、慢性病へと進展する
そして本書によると、プーファなどの脂質を燃焼させてエネルギー(ATP)を産生する場合、最初は必要なエネルギー量を産出することができるけれど、糖質の完全燃焼と異なり細胞内のミトコンドリアがダメージを受け続けるようです。
そして、最後的にはまた糖の不完全燃焼に戻ってしまい、そうなるとエネルギー不足や乳酸の蓄積により、細胞が異常細胞となり、様々な慢性病に進展するようになるようです。
これが、上述の著書のタイトルにあった『慢性病 の 原因 は「 メタボリック・スイッチ」 に あっ た!』が意味するところです。
ですから、巷ではダイエットや健康維持時に「糖質制限」が注目されていますが、糖質を減らし脂質を増やすのは、正しくこのメタボリックスイッチをオンにすることであり、とても有害で危険である可能性が高いようです。
脂質(特にプーファ)の現代の摂取量は非常に多く、プーファの摂取はなるべく控える方が健康的
私も、日本人の過去の食事おける脂質の摂取状況を調べたのですが、明治以前にはサラダ油などの概念がなく、食事で摂る脂質は、食材の中に含まれる油分だけだったようです。
現代人の脂質の摂取量は、厚生労働省の統計によると1946年時点と2019年時点を比べると4倍ぐらい増加しています。
上述しましたように、サラダ油に使われる油は植物性であり、一般に不飽和脂肪酸(プーファ)ですのでとても危険性があり、摂取量が4倍ぐらいに増加している現代においては、特に脂質の摂りすぎには注意する必要があるのではないでしょうか?
ですから、不飽和脂肪酸(プーファ)を沢山摂らないためにも、タンパク質は、お肉から摂るか、油分の少ない魚にすることが、健康にとって良く、とても重要であると思います。
ただし、食事では、原料の良し悪しや添加物や農薬や抗生物質や遺伝子組み換えなど様々な問題がありますので、口に入るものは、できるだけ安全で良質なものを選ぶこともとても重要です。
上述の「原始人食」の説明文の後半部分は、次回のメルマガでお話ししたいと思います。
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