とても面白い漢方・性質性格判定

「漢方オアシス」のホームページで、「漢方・性質性格判定」をご紹介しているのですが、今日はもう少し詳しく、またどのように利用できるかについてお話したいと思います。
◆漢方では、中国の伝統思想(陰陽五行)に基づいた [性質性格分類論]がある
その思想では、「万物」は木・火・土・金・水で象徴された5つの要素(五行)から成り立ち、かつその5要素のどれか1つだけが優勢で、全体としてはその優勢な要素の性質を示すと言います。
人においても五グループに分類でき(五形人と呼ぶ)、木の要素が優勢なグループ、火の要素が優勢なグループ、土の要素が優勢なグループ、金の要素が優勢なグループ、水の要素が優勢なグループに分かれ、それぞれ木形人、火形人、土形人、金形人、水形人と呼ばれ、グループごとに陽タイプと陰タイプに分れます。
◆この性質性格論をさらに深め、科学的な理論づけがなされた「五行類型論」
シャンティ・フーラの竹下雅敏氏は、東洋医学セミナーでさらに詳しい洞察を加え、『この「五形人の各陰陽タイプ(10種類)」は、五臓五腑に対応していて、生まれつきこの10器官(五臓五腑)のうちどれか1つだけよく働くことによるものである』としています(表1参照)。
さらに、『このよく働く臓腑は、正確には交感神経系支配において1つと副交感神経系支配において1つあり、よく働く臓腑が生まれつき2つあり、その組み合わせによって人の性質性格は特徴づけられ、全部で80通りになる』とし、この性質性格論を「五行類型論」として公表しています(★1)
また、『交感神経系の特徴は、主に日中などの活動面に係る特性で、副交感神経系の特徴は、主に夜間などの休息時によく表れるもので、主に心理的な内心の特性を表し、前者を1項目として簡易的に数字で〇型とし、後者を2項目として同じく数字で△型としました』。
表1:人の生理を司る五臓五腑と性質性格論

★2:体癖とは、天才整体師と言われた野口晴哉氏による用いられた概念で、同氏が設立した全生協会のサイトで『野口晴哉は、個人の感受性に固有のクセがあると指摘し、個人に繰り返されやすい生理的、心理的傾向、即ち体質や性格も、感受性のクセが齎らす現象として捉える。そしてこれらの現象を仔細に検討し、12種5類の体癖分類を体系化した』とあります。ただし野口晴哉氏は、上記のように12種5類に分類していますが、『12種のうち11種と12種は整体などで体が整えば1~10種のどれかに当てはまる』と言及しています。
さらに竹下雅敏氏も『五行類型論と体癖は基本的には同じものであるが、分類する際の判定方法が異なり、同じ概念を別の角度から判定している』と言及しています。
漢方・性質性格論(五行類型論)はとても有用
「漢方・性質性格論」では、とても正確に詳細な特徴がわかります。血液型や星座の性格論とは異なり、実際の生理機能の特徴から来るものなので、とても分かりやすく様々な面に顕れてきます。
それは、顔形や体形をはじめ、生理的な特徴(体質)、そして性質や性格にまで影響を及ぼします。
ですから、自分の体質や性質性格を深く理解できる上に、健康維持や対人関係や自身の能力や仕事の適正に使うことができ、さらに教育分野においても利用することができます。とても人生において利用価値の高い性質性格論です。
私の漢方・性質性格(五行類型論)の結果は?
例えば、私の交感神経系の特徴は、「木」グループの陰タイプ(2型)です。
交感神経系の特徴は活動性の特徴ですから、その人の外向性や能力に主に大きく影響します。
生理的には脳・神経系の生理機能が優位なタイプで、考えることに多くエネルギーを使います。自然と考えることが好きです。
そしてその生理的特徴は、『一般に陽タイプ(奇数型)では緊張状態で働くのに対して、陰タイプ(偶数型)ではリラックス状態で働きます』(★1)。また『陽タイプが能動的なのに対して、陰タイプは受動的です(★2)』。
ですから、陰タイプの私は、リラックス状態で頭がよく働きます。なので自宅などで一人で仕事をしている方がはかどります。
また、確かに相手の言葉や態度に反応して考えることが多いのです。俗にいう「気にしい」なのです。「ああでもない」「こうでもない」といろいろ考えて、考え過ぎるタイプです。
このように、考えてばかりで体を動かそうとしないので、少しひ弱に見えるタイプです。
この性質性格論を知る前は、確かに自分は考えることは好きで、思考力にも自信がありましたが、内心では「ちょっと考えてばかりいるよな」、「気にし過ぎだよな」、「もっと体を使うことをした方がいいのでは?」、「もっと活動的でエネルギッシュになりたいな」、「緊張すると調子が出ないのを何とかしないといけない」などと思っていました。
ですから1項目が「2型」であることを知った時、考えることが好きなのが自分の特徴だから、このままでいいのだ。この特徴を活かして生きていくのが「自然で良いのだ」。この生理的な特徴に逆らって生きるのは「不自然なのだ」と理解できました。
このことによって精神的に非常に楽になったことを覚えています。
次に、私の場合は副交感神経系の特徴は「水」グループの陰タイプ(8型)です。
副交感神経の特徴は、心理的な自分の内なる気力の部分ですから、行動の動機や精神性の部分に主に大きく影響します。
生理的には免疫・泌尿器系の機能が優位なタイプで、免疫・泌尿器系が主に外界や体内の邪気と戦う為のシステムですので、闘争活動に多くのエネルギーを使います。勝ち負けが行動のモチベーションになります。
そして陰タイプはリラックス状態でよりその機能が働きますので、リラックス状態の方がモチベーションはあがります。また、陰タイプは受動的なので、勝ちたいといより見下されたり負けそうになると頑張ろうとします。
ですから「8型」の私の場合は、負けそうになるとすぐに向きになって対抗したり、会話が大げさになったり、人と違うことに喜びを感じたり、構ってもらいたいのに素直に近寄れないなど、いろんな特徴が手に取るように腑に落ちました。
またこれらを知り得たことも、自分をさらに理解することができ、とても精神的に楽になりました。
このように自分を知ることで、自分に対する肯定観が増し、とても精神的に楽になることができるので、この性質性格論は、とても有用だと思います。
漢方・性質性格論(五行類型論)の仕事の適性における応用
これ以外にも、「漢方・性質性格論」を理解し自分の特徴が判れば、自分の能力や心の指向性などもはっきり分かってきますから、それを将来の職種や現在の仕事の方向性を考える際に役立てることができると思います。
例えばもし自分がプロのスポーツ選手になりたいと思った場合、緊張状態で肺の機能がより活発になる5型を交感神経系の特徴として持っていることが最適条件になります。
努力すれば他のタイプの方でもかなりのレベルまで上達するとは思いますが、現代のプロの世界で成功するとなると、「5型」以外では無理ではないにしても、かなりきついのではないでしょうか。
少なくとも緊張した時により機能が亢進する奇数体癖の方が優位だと思います。
実際に竹下雅敏氏も東洋医学セミナーで、『プロのスポーツ選手として活躍している人は、殆どが「5型」を持った人だ』と述べています。
ここからは私が考察する、「漢方・性質性格論」から観た個人の能力や適性ですが、良ければ参考にしてください。もし内容や表現に不愉快なところがありましてもご容赦のほどお願いいたします。ご意見やご感想がございましたら是非コメントしていただけたらありがたいです。
交感神経系の特徴は、活動時の特徴ですから、以下のようにその人の能力や適性が判ると思います。
「1、2型」は、思考力を発揮できる職種。
「3,4型」は、食への好奇心や芸術的センスを発揮できる職種。
「5型」は、社交性や活動的体力を活かせる職種。
「6型」は、緊張の少ない環境でコミュニケーション力や空想力を発揮できる職種。
「7、8型」は、勝負けの結果や向上の為に努力が必要な職種。
「9,10型」は、本人が愛情をもって、接したり係わったりできるような職種。